「毎週2日の休みが取れるなら、どれほど嬉しいか…」そんな思いを抱く求職者も多いのではないでしょうか。しかし、求人情報に「週休2日制」と書かれていても、必ずしも毎週2日の休みが取れるわけではありません。そこで今回は、完全週休2日制と週休2日制の違いについて詳しく解説し、それぞれの年間休日やメリット・デメリットを紹介します。この記事を読めば、転職活動において自分に最適な休み方を見つける手助けになります。
週休2日制とは?
週休2日制と完全週休2日制は、言葉は似ていても全く異なる制度です。
週休2日制の具体的な内容
「週休2日制」とは、1カ月のうちに少なくとも1回は、2日間の休日を設ける週がある制度です。必ずしも毎週2日間の休日があるわけではなく、例えば、1カ月のうち休日が2日間ある週が1週だけで、残りの3週は1日間しかない場合も「週休2日制」に含まれます。また、週休をどの曜日にするかの決まりもありません。業界によっては水曜日など平日を定休日にあてているケースや、シフト制で週によって休める曜日が異なるケースもあります。
完全週休2日制とは?
完全週休2日制とは、毎週必ず2日休みがある制度です。
完全週休2日制の具体的な内容
イメージしやすい土日休みのほかにも、特定の曜日が休みの場合や、シフト制などで休む曜日が固定されていない場合でも、毎週2日の休日があれば完全週休2日制に該当します。企業によっては、週に2日の休日は必ずあるものの、祝日は原則出勤というパターンもあります。
求人情報に「完全週休2日制」とだけ書かれている場合は、休める曜日について、また祝日の扱いがどうなるのかなどを、入社前に必ず確認しておきましょう。
完全週休2日制と週休2日制の休日数の違いを比較
2024年の暦を例に、完全週休2日制と週休2日制のそれぞれの年間休日を見てみましょう。
完全週休2日制の年間休日
土日休みの完全週休2日制の場合、2024年は土曜と日曜の合計は104日のため、年間休日は104日になります。これに加え、祝日や年末年始、お盆休みなどの特別休暇が含まれる場合があります。年間16日の祝日と5日の年末年始休暇が加わるため、年間休日は合計125日になります。
週休2日制の年間休日
一方、日曜+曜日を問わない休日が月1日ある週休2日制の場合、日曜日52日+12日(月1日)の曜日を問わない休日で、合計64日となります。そこに1年間の祝日や年末年始・お盆休みを足すと年間休日は完全週休2日制の場合125日前後、週休2日制の場合は90日前後となるでしょう。

主な休日制度一覧
休日制度 | 内容 |
---|---|
週休2日制 | 1カ月の間に2日間休みの週が最低1回ある |
完全週休2日制 | 毎週必ず2日間の休みがある |
隔週休2日制 | 2日間休みの週と1日間休みの週が交互にある |
週休1日制(週休制) | 毎週1日間だけ休みがある |
シフト勤務制 | 勤務シフトに基づいて休みが決まる |
厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査の概況」によると、いずれかの週休2日制を導入している企業は85.4%です。さらに53.3%の企業が完全週休2日制を導入しています。「週休2日制」や「完全週休2日制」は、企業が任意で設けている制度に過ぎず、法律で義務化されているわけではありません。休日の義務化に関しては、労働基準法第35条で「毎週少なくとも1回の休日」もしくは「4週間を通じて4日以上の休日」として定められているだけです。
また、労働時間については、労働基準法第32条で「1日8時間、週40時間を超えてはならない」と定められています。したがって、1日8時間労働を前提とすると、勤務日は週5日が上限となり、結果的に完全週休2日、年間休日105日が必要です。休日の取り決めについては企業の自由ですが、前述の労働基準法の規定に従い、適切な休息日を設ける必要があります。就業規約や雇用契約書に基づいて決定される年間休日数などの詳細が知りたい場合は、求人情報や面接で事前に確認しましょう。
週休2日制のメリットとデメリット
メリット
週休2日制は、1日の労働時間を短縮することが可能です。労働基準法において労働時間は原則1日8時間・週40時間以内とされているため、週6日働く週であれば、たとえば「7時間勤務を4日、6時間勤務を2日」のように調整できます。また、週40時間を超えた分は残業扱いになるため、週6日間、毎日8時間勤務する場合はその分収入が高くなるでしょう。
デメリット
ただし、プライベートの時間を確保しにくく、仕事に対するモチベーションが低下する恐れがある点はデメリットといえるでしょう。
完全週休2日制のメリットとデメリット
メリット
完全週休2日制は毎週必ず2日の休日があるため、安定して休める点がメリットといえるでしょう。体を休めたり、好きなことをしてリフレッシュしたりと、仕事とプライベートのメリハリがつき、ワークライフバランスも実現しやすいでしょう。
デメリット
週休2日制の場合と比べると働く日数が少ないため、処理できる業務量に限りがある点はデメリットといえます。繁忙期は残業や休日出勤が増える恐れがあるでしょう。

転職時に確認すべきポイント
休日制度の確認方法と重要なポイント
週休2日制と完全週休2日制では休日の設定方法が異なるため、求人情報の休日欄をしっかりと確認しましょう。とくに気をつけるべきポイントは、「休日の曜日が固定されているかどうか」です。土日休みが基本なのか、平日休みなのか、シフトによって異なるのかなど、企業ごとの休日の曜日の設定は必ず確認しておきましょう。
年間休日や労働時間の比較と注意点
たとえば同じ「完全週休2日制」であっても、祝日や年末年始などが休日扱いになるかどうかで年間休日数は異なります。休日制度については、年間休日がどのように定められているのかを十分に確認することが大切です。また、労働基準法において労働時間は原則1日8時間・週40時間以内と定められているため、休日制度だけでなく「1日の勤務時間は何時間か」「週何日勤務するのか」について十分に確認しておきましょう。
まとめ
今回の記事では、完全週休2日制と週休2日制の違いについて詳しく解説しました。週休2日制は月に一度の週2日休みが条件であり、休日の曜日は固定されていません。一方、完全週休2日制は毎週必ず2日の休日があり、年間休日数が多くなります。それぞれの制度にはメリットとデメリットがあり、週休2日制は労働時間の調整が可能で収入が増える一方、プライベートの時間が確保しにくくなる恐れがあります。完全週休2日制は安定した休暇が取れる反面、業務量に限りがあり、繁忙期には残業や休日出勤が増える可能性があります。転職活動時には、求人情報の休日欄や年間休日数、労働時間を十分に確認し、自分に最適な働き方を見つけることが大切です。この記事を参考にして、理想のワークライフバランスを実現してください。