「短所を話すと、面接官にマイナスな印象を与えてしまうかも…」と感じる方は少なくありません。転職活動の面接でよく聞かれる「長所・短所」への質問は、自分をどう伝えるかがカギ。
この記事では、面接官に好印象を持ってもらうための「短所の伝え方」と「NGな回答」、さらに短所をポジティブに変換する具体例を一覧でご紹介します。苦手をアピールに変える“逆転の発想”を、ぜひ面接対策に活用してください！
なぜ面接で短所を聞かれるの？その理由とは
面接で「あなたの短所を教えてください」と聞かれたとき、思わず戸惑ってしまう人も多いのではないでしょうか。そもそも、わざわざ自分の弱みを話すなんて、必要あるの？と思ってしまいますよね。でも、企業側には明確な意図があります。単なる“欠点探し”ではなく、応募者の本質を深く理解するための質問なのです。
では、面接官が「短所」に注目する理由とは一体何なのか？以下に、採用時にこの質問が重視される背景を詳しく解説します。
自己分析ができているかを見られている
面接で短所を聞かれる背景には、「この人は自分自身のことをどれくらい理解しているか？」という視点があります。
仕事をしていくうえで、自分の得意・不得意を把握しておくことは非常に重要です。短所を自覚していれば、改善に向けて努力する姿勢を持てるほか、周囲と協力して補い合うことも可能になります。こうした姿勢は、成長意欲や柔軟性のある人材として高く評価されることがあります。
社風との相性チェック
短所への考え方や向き合い方には、その人の性格や価値観が表れるため、面接では社風との適合性も見られています。
たとえば、チャレンジ志向が強い社風で「慎重すぎる」性格が浮き彫りになると、入社後のミスマッチにつながる可能性も。企業としては、入社後にスムーズに業務に馴染めるかどうかを見極めるためにも、短所への理解と改善姿勢は重要な判断材料になります。
「人となり」や価値観のすり合わせ
企業は、応募者がどんな人物で、どのような価値観や働き方を大切にしているかを知りたいと考えています。
特に、企業理念やチームの考え方に近いかどうかは、採用の可否を分けるポイントになることも。短所の答え方からは、表面的なスキルだけでなく、深層的な性格や人柄、考え方まで読み取ることができるため、面接官は注目しているのです。
【活用しよう！】短所と長所の言い換え一覧表
短所をどう伝えるかに悩んでいる方は、ぜひ「長所の裏返し」として捉える視点を持ってみてください。実は、ほとんどの短所にはポジティブな側面が隠れています。
面接では、「短所＝欠点」ではなく、「長所の裏返し」として伝えることで、納得感のある説明になり、面接官にも誠実で前向きな印象を与えることができます。
以下の表では、よくある短所とそれに対応する言い換え長所を紹介しています。自分の性格や経験に当てはまるものがあれば、ぜひ面接の受け答えに活用してみてください。
| 短所 | 視点を変えたポジティブな特徴 |
|---|---|
| 理屈っぽい | 思考に筋道があり、理性的な判断ができる |
| 我が強い | 意思決定力がある、人を巻き込む推進力がある |
| 飽き性 | 新しい発想や切り口を次々に生み出せる |
| 控えめ／内向的 | 周囲との調和を大切にし、裏方としても支えられる |
| 感情が高ぶりやすい | 感情表現が豊かで、人の気持ちに共感できる |
| プライドが高い | 高い目標意識を持ち、自分の価値観に責任を持てる |
| 決断に時間がかかる | 情報収集力があり、複数の選択肢を検討できる |
| 頑固 | 自分の信念を持ち、物事に一貫性がある |
| すぐに行動に移す | 即応力があり、チャンスに強い |
| 気を使いすぎる | 細やかな心配りができ、円滑な関係構築に貢献できる |
| 仕切りたがり | 組織の動きを把握し、主導的に調整できる |
| 流されやすい | 周囲に配慮した対応ができ、柔軟な立ち回りができる |
| 没頭しやすい | 一点集中型で、成果にこだわり抜ける |
| 口数が少ない | 落ち着いた対話ができ、集中して話を聞ける |
| 世話焼き | 周囲の状況に敏感で、サポート役に徹することができる |
| 完璧主義 | 細部にまで配慮し、高い品質基準を維持できる |
| 慎重 | リスクマネジメント力がある、落ち着いて対処できる |
表にあるように、一見ネガティブに映る性格も、見方を変えることで強みに転換することができます。ただし、ここで紹介する「言い換え」はあくまで参考です。実際に面接で使う際は、自分の経験やエピソードと組み合わせて話すことで、説得力がぐっと増します。
※企業が求める人物像に合わせて、アピールすべき長所を選びましょう。求人票や企業HPをよく読み込んで、「この会社ではどんな人が求められているのか？」を意識すると、より効果的なアピールができます。
【例文あり】短所のカバー方法もセットで伝える
面接では、短所を単にネガティブな側面として話すのではなく、「自分が課題とどう向き合っているか」を伝えることが大切です。企業は、応募者の課題に対する姿勢や改善意欲をチェックすることで、「この人は入社後も成長してくれそうか？」「周囲と協力しながら仕事を進められるか？」といった点を見極めています。
つまり、短所はマイナスな要素ではなく、成長途中の“伸びしろ”としてポジティブに変換するチャンス。上手な伝え方をすることで、人間味や誠実さをアピールすることができ、面接官からも好印象を得やすくなります。
以下に、実際に面接で活用できる短所の答え方の例を紹介します。ポイントは、自分の短所を冷静に受け止めていること、そして改善に向けて具体的な行動を取っていることです。
例文1：頑固を短所として伝える場合：
「私の短所は頑固なところです。自分の考えやこだわりに強く執着してしまい、柔軟な判断ができなくなる場面もありました。
しかし、仕事をするうえで最も重要なのは目的の達成であることに気づき、それ以来、他者の意見や視点を積極的に取り入れることを意識するようになりました。
具体的には、ミーティング前に事前に他のメンバーの提案を確認し、客観的に判断する姿勢を持つよう努めています。現在では、チーム全体の成果を優先しながら、最適な方法を選択できるよう心掛けています。」
★ポイント：自分のこだわりを認識しつつ、他者の意見も尊重しながら改善を図っている点が評価されやすくなります。
例文2：気を使いすぎる場合：
「私は、気を使いすぎるところが短所です。場の空気を読み過ぎてしまい、自分の意見を言いそびれてしまうことがありました。
特に会議では、発言のタイミングを逃してしまい、後になって『言えばよかった』と後悔することもありました。
最近は、自分の考えをきちんと相手に伝えることも大切なコミュニケーションだと考え、会議前に意見をメモしておく、発言の準備をしておくなど、積極的に発言できるような工夫をしています。
結果として、同僚からも「意見がわかりやすい」「丁寧で伝わりやすい」と言ってもらえるようになり、自信にもつながっています。」
★ポイント：慎重さや気配りが持ち味であることを活かしつつ、“発言力”の強化に取り組んでいる姿勢が伝わります。
例文3：完璧主義を短所として伝える場合：
「私の短所は完璧主義なところです。成果物の細部にこだわりすぎてしまい、必要以上に時間がかかってしまうことが以前はありました。
しかし、業務においては“スピードと質のバランス”が求められると感じるようになり、今ではまず全体のスケジュールを俯瞰して優先順位を明確にするよう意識しています。
特に納期のあるタスクでは、初期段階で完成度の目安をチーム内で共有し、やり過ぎにならないようコントロールする工夫をしています。結果として、着実な成果と納期遵守の両立ができるようになりました。」
★ポイント：高い基準を持つ点は強みにもなり得るため、「バランスを取りながら活かしている」という伝え方が好印象に繋がります。
このように、短所のカバー方法を具体的に示すことで、ただ課題を報告するだけではなく「成長意欲がある人」として評価されやすくなります。面接では、自己分析力・課題への向き合い方・改善行動の3点セットで伝えることを意識しましょう。
まとめ
面接で短所を聞かれた時、どうしてもネガティブな印象を持たれるのでは…と心配になってしまうかもしれません。でも、実は短所の質問は「人となり」や「成長意欲」を伝える絶好のチャンス。どんな人でも完璧ではなく、何かしらの課題を抱えているからこそ、そこへの向き合い方や工夫に人間らしさがにじみ出るのです。
「自分はこんな課題を持っていて、今こうやって向き合っている」
この視点を持って伝えることができれば、面接官に好印象を与えることもできます。過去よりも“今”に焦点を当てることで、未来に向けた成長の可能性を感じてもらえるはずです。
面接で短所を伝える際に意識したいポイントはこちらです。
- 短所は1つに絞る
→ 焦点を明確にして、印象がぼやけないようにしましょう。 - 改善の姿勢をあわせて伝える
→ 工夫や努力の具体例があると、誠実な印象につながります。 - 職種に致命的でない短所を選ぶ
→ 面接官の不安につながらないよう注意が必要です。 - 長所と矛盾しないように構成
→ 一貫性を持った回答で、説得力がぐっと高まります。
短所の質問は避けられないものですが、伝え方によっては「この人と働いてみたい」と思ってもらえる可能性すらあります。ぜひこの記事を参考に、自分らしく、でも前向きな受け答えを準備してみてください。あなたの誠実さや成長意欲がしっかり伝わることを願っています！
