転職活動の面接では、話す内容と同じくらい「見た目の印象」が重要です。
面接官は、スーツの色や形、髪型、靴の汚れ、さらには香りまで、細かくチェックしています。「この人と一緒に働きたいか」「職場に馴染めそうか」といった判断は、意外と服装から始まっているんです。
最近では「私服OK」「服装自由」といった企業も増えてきましたが、自由だからといって何を着てもいいわけではありません。今回は、面接時に好印象を与える服装の選び方や着こなしのコツを、男女別・シーン別に詳しく解説します!
面接官が見ているのはここ!服装で好印象を与えるコツ
面接では「何を話すか」も大事ですが、「どう見えるか」も同じくらい重要です。では、面接官は応募者の服装のどこを見て、どんな印象を持つのでしょうか?ここでは、面接官がチェックしているポイントと、好印象につながる服装のコツを詳しく紹介します。
清潔感は絶対条件
服装で最も重要なのは「清潔感」。これは性別や業界を問わず、すべての面接に共通するポイントです。スーツにシワがある、ホコリがついている、サイズが合っていない、ニオイが気になる…こうした要素はすべて「だらしない人」という印象につながります。
たとえば、ブラックのスーツはホコリが目立ちやすいので、面接前に粘着ローラーで手入れを。汗やタバコのニオイが気になる場合は、消臭スプレーやクリーニングで対策を。サイズが合っていないと、肩が落ちたり袖が長すぎたりして、見た目のバランスが崩れます。購入時に試着して、ジャストサイズを選びましょう。
また、髪型や爪、靴の汚れなども清潔感に直結します。面接前には鏡で全身をチェックする習慣をつけると安心です。
TPOをわきまえた服装選び
「TPO」とは「Time(時間)」「Place(場所)」「Occasion(場面)」の略。つまり、面接という“ビジネスの場”にふさわしい服装かどうかが問われています。
たとえば、派手な柄のスーツや明るすぎる色のネクタイは、面接官に「この人、空気読めないかも…」と思われる可能性があります。逆に、落ち着いた色味で統一された服装は「職場でも安心して任せられそう」という印象につながります。
特にアパレルやクリエイティブ系以外の業界では、奇抜なファッションは避けるのが無難です。「自分らしさ」よりも「職場に馴染めるか」を意識した服装選びを心がけましょう。
全身のバランスも大事
服装は「全体のバランス」が命。スーツは完璧でも、靴がスニーカーだったり、バッグが派手すぎたりすると、そこだけ悪目立ちしてしまいます。
たとえば、男性ならスーツに合わせた革靴、女性ならパンプスを選ぶのが基本。バッグも、A4サイズが入るビジネスバッグで、床に置いても自立するタイプが好印象です。
「どこかだけ浮いてる」状態を避けるためには、鏡で全身を見て、色味や素材感が統一されているかを確認しましょう。
スーツの選び方と着こなしのポイント
「とりあえずスーツを着ていけば大丈夫でしょ」と思っていませんか?実は、スーツの色や形、インナーや靴の選び方ひとつで、印象は大きく変わります。
スーツはシンプル&落ち着いた色味で
スーツは、ジャケットとスラックス(またはスカート)がセットになったビジネススーツを選びましょう。色はブラック、ネイビー、グレー、ベージュなどが定番。柄物を選ぶ場合は、細めのストライプなど控えめなものに。
注意したいのは「リクルートスーツ」。学生時代に使っていたものは、素材やシルエットが頼りなく見えることがあるため、転職活動では避けた方が無難です。
また、スーツの素材によってはホコリがつきやすいものもあるので、面接前には必ず手入れを。ジャケットの肩や背中、ズボンの裾など、見落としがちな部分もチェックしましょう。
インナーは透けない&ヨレてないものを
インナーは、白や淡い色のワイシャツ・ブラウスが基本。柄物や派手な色は避け、シンプルなデザインを選びましょう。生地が薄すぎると透けてしまい、だらしない印象に。厚みや張りのある素材を選ぶと安心です。
また、襟のヨレや汗ジミ、袖口の汚れなども要注意。ジャケットを着ていても、インナーの状態は意外と見られています。胸元が開きすぎているとカジュアルに見えるので、第一ボタンまで留めるか、開けても控えめに。
肌着の着用も忘れないようしましょう。白いシャツでも、肌着がないと透けてしまうことがあります。
靴は歩きやすくてスーツに合うものを
靴は、革靴(男性)やパンプス(女性)が基本。色は黒やダークブラウンなど、スーツと相性の良いものを選びましょう。かかとの擦り減りや汚れは、面接官の目に入りやすいので、事前にしっかり手入れを。
転職活動では、1日に複数の企業を回ることもあるため、歩きやすさも重要です。新しい靴を買った場合は、面接前に何度か履いて慣らしておくと安心です。
ヒールの高さは、女性の場合5〜7cmが理想。高すぎると歩きづらく、低すぎるとカジュアルに見えることがあります。
ネクタイは「浮かない」ことが大事
ネクタイは、スーツの色や柄と統一感があるものを選びましょう。派手な色やキャラクター柄、冠婚葬祭用の白・黒ネクタイは避けるのが無難です。
柄は「無地」「小紋」「ストライプ」など、ビジネスシーンに馴染むものを。着用したときにネクタイだけが目立っていないか、鏡で確認してみましょう。
男女別・面接時の服装OK例
服装の基本ルールを押さえたら、次は性別ごとの具体的なポイントをチェックしておきましょう。
男性・女性それぞれに合ったアイテム選びや注意点を知っておくことで、より完成度の高い面接スタイルが整います。
男性の場合
- ネクタイ
ネクタイは、スーツの色に合わせて落ち着いた色味を選びましょう。ネイビー、グレー、ボルドーなどが定番です。結び方はプレーンノットやウィンザーノットなど、きれいな形に整えること。ネクタイの長さはベルトのバックルにかかる程度が理想です。 - 靴(ビジネスシューズ)
スーツに合わせるなら、黒またはダークブラウンのレザー製紐靴がベストです。ストレートチップやプレーントゥなど、装飾の少ないデザインを選びましょう。スウェードやヌバックなど毛足のある素材はカジュアルに見えるため避けてください。 - バッグ
面接時は、A4サイズの書類が入るビジネスバッグを持参しましょう。色は黒、濃紺、ダークブラウンなどが安心です。床に置いたときに自立するタイプが理想。リュックやトートバッグも、ビジネス仕様であればOKですが、堅い社風の企業ではマイナスに見られることも。 - アクセサリー・時計
男性でもアクセサリーを身につける方は多いですが、面接では結婚指輪以外は外しておくのが無難です。ピアス、ネックレス、ブレスレットなどは、企業によっては「非常識」と受け取られることもあります。腕時計は、シンプルで目立たないデザインを選びましょう。ブランドロゴが大きく入っているものや、装飾が派手なものは避けてください。

女性の場合
- バッグ
A4サイズが入る自立型のバッグがベスト。トートバッグでも口がしっかり閉まるタイプならOKですが、セキュリティ面で不安を感じさせるデザインは避けましょう。紙袋やエコバッグは論外です。 - アクセサリー
ピアスやネックレスは、つけるなら小ぶりで控えめなものを。ドロップタイプや大ぶりのアクセサリーは、スーツと合わず悪目立ちする可能性があります。結婚指輪以外は基本的に外しておくと安心です。 - 腕時計
アクセサリーと同様、目立ちすぎないものを選びましょう。ブランドロゴが大きく入っているものや、装飾が派手なものは避けるのが無難です。 - 香りのマナー
香水は好みが分かれるため、基本的にはつけない方がベター。柔軟剤やヘアスタイリング剤の香りも強すぎると印象が悪くなることがあるので、香り控えめの製品を選びましょう。

「服装自由」「私服OK」と言われたときの対応法
最近では「服装自由」「スーツ以外で」といった指定をする企業も増えてきました。
とはいえ、自由だからといって何でもOKというわけではありません。むしろ、こうしたケースこそ“センス”と“常識”が問われます。
指定がないならスーツが安心
服装について何も指定がない場合は、迷わずスーツで行きましょう。スーツはビジネスパーソンの正装。面接にふさわしい服装であることは間違いありませんし、服装に気を取られず面接に集中できます。
「スーツで来たら浮くかも…」と不安になるかもしれませんが、スーツを着て失礼になることはまずありません。
「服装自由」と記載されていた場合
「服装自由」と書かれていても、スーツNGという意味ではありません。むしろ「自分でTPOを判断できるか」を見られている可能性があります。
迷ったら、スーツを着て行くのが無難です。ただし、社風がカジュアルな企業であれば、ビジネスカジュアルで行くのも選択肢のひとつ。その場合も、清潔感と統一感を意識した服装を心がけましょう。
「スーツ以外で」と指定された場合
アパレル業界やベンチャー企業などでは、「スーツ以外の服装で」と指定されることがあります。この場合は、私服のセンスや職場での服装を見たいという意図があるため、ビジネスカジュアルを意識したコーディネートが求められます。
たとえば、男性ならセンタープレスのパンツに襟付きシャツ、女性ならシンプルなスカートやパンツにジャケットを羽織るスタイルが安心です。ジーンズ、Tシャツ、派手な柄のシャツなどは避けましょう。
また、私服でも「清潔感」は最重要ポイント。アイロンがけ、汚れのチェック、サイズ感の確認は忘れずに。「私服だからラフでいいや」と油断すると、面接官に「常識がない」と思われてしまうこともあります。
まとめ
面接時の服装は、あなたの第一印象を決める大きな要素です。清潔感、TPO、全体のバランスを意識することで、「この人と働きたい」と思ってもらえる可能性がグッと高まります。
服装自由と言われても、迷ったらスーツ。スーツ以外を指定された場合でも、ビジネスカジュアルを意識して、清潔感と常識あるスタイルを心がけましょう。
服装は、あなた自身の「仕事への姿勢」や「職場への適応力」を伝えるメッセージです。
面接に向けて、服装の準備も万全にして、自信を持って臨みましょう!