有限会社と株式会社はどっちが安定?転職活動で知って得する基礎知識

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転職サイトを見ていると、「株式会社」や「有限会社」という表記をよく目にしますよね。なんとなく「株式会社のほうが大きくて安定してそう」といったイメージを持っている人も多いはず。

でも実は、今の法律では両者の違いはほとんどありません。特に2006年の会社法改正以降、有限会社の新規設立ができなくなったことで、制度そのものが大きく変わりました。

この記事では、転職活動中の方が知っておくと役立つ「有限会社とは何か」「株式会社との違い」「転職先としてどう判断すべきか」をわかりやすく解説していきます。

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有限会社とは?今は新しく作れない“会社形態”

転職活動をしていると、求人票の会社名に「有限会社」と書かれているのを見かけることがあります。ただ、最近ではあまり耳にしない言葉でもあるため、「株式会社と何が違うの?」と疑問に思う人も多いはずです。

有限会社は2006年以前に作られた会社だけが名乗れる

有限会社は、株式会社や合同会社と同じく法人格を持つ会社形態のひとつです。しかし、2006年5月に会社法が施行されて以降、新しく有限会社を設立することはできなくなりました。それ以前は、会社を作る際の条件に明確な違いがありました。

  • 株式会社:資本金1000万円以上
  • 有限会社:資本金300万円以上

このように、株式会社のほうが求められる資本金が大きかったため、社会的信用度も高いとされていました。一方で、少ない資金で事業をスタートしたい人にとっては、有限会社のほうが現実的で、個人事業からのステップアップとして選ばれるケースも多かったのです。

社法改正で“有限会社の必要性”が薄れた

ところが、2006年の会社法改正によって状況が大きく変わります。株式会社の設立要件が大幅に緩和され、資本金1円から設立できるようになったほか、役員数の制限も撤廃されました。これにより、従来の「株式会社は大規模」「有限会社は小規模」という区別がほぼ意味を持たなくなり、有限会社を選ぶメリットが事実上なくなったのです。その結果、既存の有限会社は次のどちらかを選ぶことになりました。

  • 株式会社へ変更する
  • 「特例有限会社」として存続する  

現在「有限会社」を名乗っている企業は、2006年4月30日までに設立され、その後も特例有限会社として残ることを選んだ会社ということになります。つまり、今目にする有限会社はすべて“歴史のある会社”というわけです。

特例有限会社は“法律上は株式会社の一種”

特例有限会社は、会社法改正によって新規設立ができなくなった有限会社が、そのままの形で存続するために設けられた制度です。法律上は「株式会社の一種」として扱われており、運営ルールや会社としての位置づけは株式会社に非常に近いものになっています。ただし、完全に株式会社と同じというわけではなく、有限会社らしさを残した特徴もいくつか存在します。

  • 社名に必ず「有限会社」を使わなければならない  
  • 株式会社で義務付けられている「決算公告」が不要

このように、特例有限会社は外見は有限会社のまま、制度上は株式会社に近いハイブリッドな存在といえます。「昔ながらの有限会社の雰囲気を残しつつ、株式会社としての扱いを受けている会社」とイメージするとわかりやすいでしょう。

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有限会社と株式会社の違い

有限会社と株式会社は、どちらも企業の形態としてよく知られていますが、2006年の会社法改正を境に、その違いは大きく変化しました。昔は「資本金の大きさ」や「役員数」など、制度上の差が企業規模のイメージに直結していましたが、現在はその多くが解消されています。

最低資本金額の違い

  • 改正前:有限会社300万円以上/株式会社1000万円以上
  • 改正後:株式会社は1円以上で設立可能

かつては、資本金の額がそのまま企業の信用度や規模のイメージにつながっていました。「株式会社=大きな会社」「有限会社=小規模な会社」という印象が強かったのも、この資本金の差が理由です。しかし、会社法改正によって株式会社の最低資本金が撤廃され、極端に言えば1円でも会社を作れる時代になりました。そのため、今は会社形態だけで企業規模を判断することはできません。

最低役員数の違い

  • 改正前:有限会社は取締役1名、株式会社は取締役3名+監査役1名
  • 改正後:株式会社も取締役1名でOK

以前の株式会社は、複数の役員を揃える必要があり、組織としての体制がしっかりしている印象がありました。一方、有限会社は取締役1名で設立できるため、家族経営や小規模事業に向いていたのです。改正後は株式会社でも取締役1名で設立できるようになり、小規模な株式会社が増えたことも大きな変化です。役員数の違いによるイメージの差も、今ではほとんどなくなりました。

取締役の任期の違い

  • 改正前:有限会社は任期なし、株式会社は2年
  • 改正後:最長10年まで延長可能

有限会社は取締役の任期が設定されていなかったため、同じ人が長く経営に携わることができ、家族経営や小規模企業にとってはメリットでした。一方、株式会社は2年ごとに役員改選が必要で、手続きの負担が大きいという声もありました。しかし、改正後は任期を最長10年まで延ばせるようになり、株式会社でも長期的な経営体制を取りやすくなりました。

社員数の違い

  • 改正前:有限会社は50名以下
  • 改正後:制限なし

有限会社は社員数に上限があったため、事業を拡大しにくいというデメリットがありました。規模が大きくなると、株式会社へ移行する必要があったのです。現在は社員数の制限が撤廃され、有限会社の形態を維持したままでも柔軟に規模を拡大できるようになりました。

決算公告義務の違い

  • 改正前:有限会社は義務なし
  • 改正後:株式会社は義務あり

株式会社は決算内容を公告する義務があり、経営の透明性を確保する仕組みが整っています。一方、有限会社は公告義務がなかったため、手間やコストを抑えられるというメリットがありました。特例有限会社は現在も決算公告が不要なため、「常連客中心で経営しているから公告は必要ない」「公開コストを抑えたい」といった理由で、有限会社のまま存続している企業もあります。

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「株式会社のほうが安定している」は本当?

転職活動をしていると、「やっぱり株式会社のほうが安心なのかな…」と感じる人は少なくありません。会社名に“株式会社”とついているだけで、規模が大きくて経営が安定しているように見えるのは自然なことです。しかし、そのイメージは本当に今の制度に当てはまるのでしょうか。

昔のイメージが残っているだけの可能性が高い

「株式会社=大きくて安定」「有限会社=小規模で不安定」というイメージは、会社法改正前の制度がつくり出したものです。当時は資本金や社員数に明確な差があったため、有限会社は小規模企業の代名詞のように扱われていました。しかし現在は…

  • 株式会社でも資本金1円で設立できる
  • 社員数の制限もない  

といったように、制度上の違いはほとんどなくなっています。そのため、会社形態だけで企業規模や安定性を判断することはできません。「株式会社だから安心」「有限会社だから不安」という考え方は、今の時代には当てはまらないのです。

安定性は“会社形態”ではなく“経営状態”で決まる

企業の安定性を見極めるうえで大切なのは、会社の種類ではなく中身です。例えば…

  • 売上が安定しているか
  • 利益がしっかり出ているか
  • 事業内容に将来性があるか
  • 経営者の方針が明確で、無理のない経営をしているか

こうしたポイントのほうが、会社の安定性を判断するうえでよほど重要です。つまり、「株式会社か有限会社か」よりも「どんな経営をしている会社なのか」を見極めることが、転職活動では欠かせません。

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有限会社で働くメリットはある?

有限会社だから特別なメリットがあるわけではありませんが、以下のような特徴を魅力に感じる人もいます。

  • 2006年以前から続くため、一定の歴史がある
  • 小規模で社長の考えが伝わりやすい
  • アットホームな雰囲気になりやすい
  • 事業が一つの場合、異動や転勤が少ない

ただし、これは小規模な株式会社でも同じことが言えるため、「有限会社だから」というよりは、企業規模の特徴と考えるのが自然です。

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有限会社に転職するデメリットはある?

現在の制度では有限会社だからといって転職のデメリットがあるわけではありません。会社法改正によって、有限会社と株式会社の制度上の差はほとんどなくなっているため、会社形態だけで優劣を判断する必要はないのです。とはいえ、昔は以下のように言われることがありました。

  • 組織が小さくワンマン経営になりやすい
  • 株式会社より信用度が低く見られることがある

こうしたイメージは、有限会社が小規模企業として扱われていた時代の名残です。ただし、これらは会社形態そのものの問題ではなく、あくまで企業ごとの経営スタイルや体質によるものです。有限会社だから不安定、という考え方は、今の制度にはまったく当てはまりません。

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有限会社へ転職する際の注意点

有限会社だからといって、特別に気をつけるべきポイントが増えるわけではありません。むしろ、どんな会社に転職する場合でも共通して大切なのは、会社の中身をしっかり見極めることです。たとえば、次のような点は必ずチェックしておきたいところです。

  • 仕事内容は自分に合っているか
  • 募集ポジションの役割は明確か
  • 経営者の考え方や人柄
  • 一緒に働く人との相性
  • 事業の安定性

会社形態にとらわれず、自分が長く働ける環境かどうかを判断することが何より重要です。

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まとめ

有限会社と株式会社の違いは、会社法改正によって大きく縮まり、現在ではほとんどありません。
「有限会社だから不安」「株式会社のほうが安定している」といった考えは、昔の制度のイメージが残っているだけの可能性が高いです。

転職で本当に大切なのは、会社の形態ではなく、その企業がどんな事業をしていて、どんな人たちが働いているか。求人票だけではわからない部分も、面接や企業研究を通してしっかり確認し、自分に合った職場を見つけていきましょう。

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