年が明けて「今年もよろしくお願いします!」と挨拶した直後、「あれ、あの先輩いなくない?」
「実は…年明けに退職したらしいよ」こんな話、最近よく耳にしませんか。SNSでも話題になっている “あけおめ退職”。年末年始の長期休暇が明けたタイミングで会社を辞める人が増えている現象で、20〜30代の若い世代を中心に広がっている言葉です。
あけおめ退職とは?SNSで広まった新しい退職トレンド
あけおめ退職(あけおめ退社)とは、年末年始の休暇が明けた直後に退職すること を指す言葉です。SNSで「#あけおめ退職」と投稿されることも多く、以下の状況を表す際に使われています。
- 新年の挨拶をした直後に退職届を出す
- 休み明けに出社したら同僚が辞めていた
単なるネットスラングではなく、“新しい年の始まり=キャリアを見直すタイミング”という価値観が広がっている象徴ともいえる現象です。
なぜ年明けに退職者が増えるのか?
年明けに退職者が増えるのは、単なる偶然ではなく、いくつかの心理的・環境的な要因が重なることが考えられます。ここではその要因を3つ紹介します。
長期休暇でキャリアを見つめ直すから
年末年始は、仕事から離れて心身ともにリフレッシュできる貴重な期間です。普段は業務に追われて考える余裕がない人でも、休暇中にふと「このまま今の仕事を続けていいのかな」「もっと自分に合う働き方があるのでは」と、自分のキャリアを見つめ直す時間が自然と生まれます。
家族や友人とゆっくり話す中で価値観の変化に気づいたり、久しぶりに会った同級生の話から刺激を受けたりすることもあります。こうした外部からの影響が、自分の将来について考えるきっかけとなり、転職という選択肢がより現実的に感じられるようになるのです。
新年の“リセット心理”が背中を押すから
新しい年を迎えると、気持ちを切り替えたくなるものです。「今年こそ環境を変えたい」「もっと成長できる場所に行きたい」「新しいことに挑戦したい」といった前向きなリセット心理が働きやすくなります。
この心理はプライベートだけでなく、仕事にも強く影響します。現状に不満やモヤモヤを抱えている人ほど、「今なら変われる」「このタイミングを逃したくない」と感じやすく、退職や転職の決断につながりやすくなるのです。新年という節目は、行動を後押しする強力なスイッチのような役割を果たします。
冬のボーナスを受け取った後のタイミングだから
経済的な理由も、年明けに退職者が増える大きな要因です。多くの企業では12月に冬のボーナス(賞与)が支給されるため、「ボーナスをもらってから辞めたい」という考えは非常に合理的です。
転職活動には、生活費の確保や面接のための移動費など、何かとお金がかかります。さらに、次の仕事がすぐに決まるとは限らないため、ボーナスを受け取ってから動くことで、金銭的な不安を大きく減らすことができます。こうした事情から、ボーナス受給後の年明けは、心理的にも経済的にも動きやすい“ベストタイミング”となっているのです。
あけおめ退職を経験した人のリアルな声
若い世代ほど、あけおめ退職を身近に感じる傾向があります。特に20代は転職率が高く、キャリアチェンジが一般的になっていることもあり、同僚や友人が年明けに突然辞める場面に遭遇する機会も少なくありません。
実際に身近な人があけおめ退職したとき、人々の感情はさまざまです。まず多いのは「寂しい」「ショック」「驚き」といった率直な反応です。突然の退職は、どうしても感情の揺れを引き起こします。
羨望に近いポジティブな気持ちを抱く人も
- 「自分も辞めたいと思っていたから共感した」
- 「良い条件の職場を見つけたのかも」
- 「将来を考えて行動していてすごい」
といった声が挙がることもあり、退職という選択を前向きに受け止めるケースも多いのが特徴です。しかし、ポジティブな感情だけではありません。
職場内であけおめ退職が起きた時にあがる不安な声
- 「人が減って仕事が増えるのでは」
- 「会社の業績が不安」
といった現実的な不安が生まれることもあります。突然の人員減は、残されたメンバーにとって負担増につながる可能性があるため、こうした声が出るのも自然です。
このように、あけおめ退職は周囲にさまざまな影響を与える出来事であり、受け止め方も人それぞれです。退職は個人の自由でありながら、職場全体に波紋を広げることもあるため、慎重なコミュニケーションが大切だといえます。
あけおめ退職は非常識?
年明けに退職すること自体は、法律的にも社会的にもまったく問題ありません。ただし、どんなに正当な理由があっても、伝え方やタイミングを誤ると「急すぎる」「引き継ぎが大変」「迷惑だ」と受け取られてしまう可能性があるのも事実です。
特に年明けは業務が動き出すタイミングでもあり、周囲の負担が増えやすい時期。だからこそ、円満に退職するためには、最低限押さえておきたいポイントがあります。
就業規則の「退職申し出期限」を必ず確認する
まず最初にやるべきことは、会社の就業規則を確認すること。多くの企業では、退職希望日の1〜3ヶ月前に申し出ることがルールとして定められています。この期限を守らずに突然辞めてしまうと…
- 引き継ぎが間に合わない
- プロジェクトに穴が空く
- 周囲の信頼を損なう
といったトラブルにつながりやすくなります。「年明けに辞めたい」と思ったら、まずは就業規則をチェックし、自分がいつまでに申し出ればスムーズに退職できるのかを把握しておきましょう。
できるだけ早めに上司へ直接伝える
退職の意思は、できるだけ早めに、そして直接対面で伝えるのが基本です。メールやチャットだけで済ませると、「大事な話なのに軽く扱われている」と感じさせてしまうこともあります。直接伝えることで…
- 誤解が生まれにくい
- 退職日や引き継ぎの相談がスムーズ
- 誠意が伝わりやすい
このようなメリットが働きます。どうしても対面が難しい場合は、オンラインミーティングなど、“顔を合わせて話す”スタイルを選ぶと印象が良くなります。
引き継ぎは丁寧に
円満退職の最大のポイントは、引き継ぎの丁寧さです。どれだけ辞める理由が正当でも、引き継ぎが雑だと「辞め逃げされた」「後任が困っている」と悪い印象を残してしまいます。引き継ぎを行う際は、以下のポイントに注力しましょう。
- 業務マニュアルを作成する
- 担当案件の進捗を整理する
- 関係者への共有を忘れない
また、最終出社日まで責任を持って業務をこなす姿勢は、あなたの評価にもつながります。退職後に前職の人脈が役立つこともあるため、最後まで誠実に働くことは、長い目で見ても大きなメリットになります。
まとめ
あけおめ退職は、単なる流行語ではなく、多くの人が「新しい年をきっかけに、自分のキャリアをもう一度見直したい」と感じていることを象徴する言葉です。年末年始の長期休暇で日常の忙しさから離れ、ゆっくりと自分の働き方や将来について考える時間が生まれます。普段は気づかなかった違和感や、本当にやりたいことへの思いが浮かび上がってくることも少なくありません。
さらに、新年という特別な節目は、気持ちをリセットしやすいタイミングでもあります。「今年こそは変わりたい」「もっと自分に合った環境で働きたい」という前向きな気持ちが強まり、行動に移しやすくもなります。
もし今、あなたが現在の働き方に少しでもモヤモヤを感じているなら、無理に結論を急ぐ必要はありませんが、自分のキャリアを見つめ直すには絶好のタイミングです。新しい年の始まりは、これからの人生をどう歩んでいくかを考える良いきっかけになります。

